東雲の気まぐれな創造

絵とITに関する話を中心としたブログ

視線誘導を意識した絵

f:id:yukisinonome:20170827165114j:plain


過去絵から視線誘導を意識した絵を紹介します。視線誘導とは文字そのままの意味です。絵を見る人の視線を絵の構図で誘導することです。視線誘導は絵の描き方の1つのポイントだと思います。


この絵は女の子が広大な世界を旅するイメージで描きました。全体的に彩度を低めにすることで、旅の厳かな雰囲気を演出しています。東雲はこういう風景メインで人物入りの絵を描くのが好きです。


絵の魅力を上げるための方法として、視線誘導を意識するというものがあります。視線誘導を意識して描くことで注目してほしい部分に視線を集中させたり、絵全体を満遍なく見てもらったり、視線を逃さないようにする効果があります。


この絵の視線誘導はこうなるように意識して見ました。


f:id:yukisinonome:20170827165119j:plain


まず、視線は手前の人物か奥の建物に目がいくと思います。道が建物に向かっていることで人物と建物の導線ができます。また、左手前に木を描くことで、視線が逃げずに循環するようになっています。


自然風景において木は視線を集めやすいので上手く配置できると絵の表現の幅が広がります。また、自然風景の中の人工物というのもかなり視線が集中します。


自然風景の中に人工物がポツンとあると、それが大きさの基準になります。自然物は大きさがバラバラです。それに対して、人工物というのはある程度大きさが決まっています。この人工物がこの大きさなら、周りの木や山の大きさはこんな感じかななんてイメージができるのです。


今回は風景がメインの絵でしたが、キャラ絵でも視線誘導は効果を発揮します。例えば、女の子の絵なら顔や胸、尻、太ももは視線が集中しやすいです。要するに、キャラ絵においてはフェチ要素をどこに配置するかが絵の魅力に大きな影響を与えるのです。


キャラ絵においてはフェチ要素以外にも、服やアクセサリ、武器でも視線誘導に用いることが可能です。視線誘導を意識していることが良い構図の1つの要素なわけです。


今回の絵に話を戻します。実は厳かな雰囲気を演出するためにもう一つ意識的に加えた要素があります。それがサンビームというものです。サンビームとは雲の間から柱のように降り注ぐ太陽光のことです。


f:id:yukisinonome:20170827165125j:plain


サンビームも視線を集める要素として知っておくと表現の幅が広がると思います。東雲はまだまだ未熟なので、サンビームを効果的に使えているかと聞かれると微妙ですけどね。こういう要素を増やしてみると絵の情報量が増えて絵が面白くなるとは思いますので、絵を描くときにサンビームも思い出してみてください。